書き出しはどの形式を選ぶ?
大変なのは抽出のところで、それは一度きりです。終わってしまえばデッキはブラウザの中にあり、あとの書き出しは同じスライドを別のかたちでディスクに書くだけ——再処理も待ち時間もなく、二度目のアップロードもありません。そもそも一度目がないからです。
つまり本当の問いは「Xに書き出せるか」ではなく「どれが欲しいのか」で、その答えはそのファイルが次にどこへ行くかで決まります。以下がメニューの全部と、それぞれの本当の使いどころです。
メニューの全部
9つの形式、抽出は1回。習慣ではなく行き先で選んでください。
| 形式 | こんなときに | ダウンロードされるもの |
|---|---|---|
| PowerPoint(.pptx) | 発表する、またはデッキを人に渡す | 画面が変わるたびに1枚、それぞれ画像として |
| 編集できる PowerPoint | スライド上の誤字を直したい | 同じデッキに、各画像の上へ文字レイヤーを重ねたもの |
| Word(.docx) | 印刷する、書き込む、提出する | 各スライドを時刻の見出しの下に、その下に話した内容 |
| Markdown + 画像 | Obsidian、wiki、リポジトリに入れる | notes.md と images フォルダ、相対パスでリンク |
| 相手がPowerPointを開かない | 1ページ1スライド、レイアウト固定で印刷向き | |
| 画像(.zip) | スライドが別の作業の素材になる | 1スライド1つのJPEG、時刻でファイル名 |
| 全スライドを1枚の画像に | 投稿する、チャットに貼る | デッキ全体を順番に並べた1枚のPNG |
| 音声だけ | 聞き返す、別のツールに渡す | 音声トラックを小さなOpusファイルで |
| 字幕(.srt / .vtt) | 字幕を付ける、ある瞬間を引用する | 時刻付きのテキスト、端末内で生成 |
PowerPointか、編集できるPowerPointか
素の.pptxは画像です。各スライドは画面に出ていたそのフレームそのものなので、内容は完全に正確で、そのかわり一文字も変えられません。
編集できるほうは各スライドに文字認識をかけ、読み取れた文字を上に重ねます。だから見出しをクリックして打ち直せます。誤字や年号の間違いがあるときは本当に役に立ちます。同時にそれは推測でもあります——「見えたと思ったもの」を読むので、図が密なところでは取りこぼします。文字を直したいなら編集版、画面が正確であってほしいなら素のほう。
WordかMarkdownか
この2つは中身が同じ——各スライド、その時刻、そのとき話されていたこと——で、違うのは居心地のよい場所だけです。
人が読むならWord。印刷して、余白に書き込んで、提出して、Officeで生きている人に送る。時刻は本物の見出しとして入るので、Wordのナビゲーションウィンドウが2時間の講義をクリックできる目次に変えてくれます。
機械も読むならMarkdown。プレーンテキストなので検索でき、差分が取れ、10年後でも開けます。書き出しはnotes.mdと相対パスでリンクされたimagesフォルダ——Obsidian、Logseq、VS Code、GitHubがそろって理解するかたちです。
1枚にまとめた画像はタイムライン用で、保管用ではない
「全スライドを1枚の画像に」はデッキ全体を順番に1枚のPNGへ入れ、各スライドに時刻を焼き込みます。チャットに貼っても壊れない唯一の書き出しであり、誰もファイルを開かずに「あの話、何だったの」に答えられる唯一の書き出しでもあります。
ただしデッキの代わりにはなりません。40枚並べたら細かい字は誰にも読めません。画像を投稿して、.pptxを添付してください。
音声について、そしてなぜMP3ではないのか
「音声だけ」が渡すのはOpus音声の入った.oggです。1時間の話し声でおよそ20MB、非圧縮なら115MBかかるところです。
MP3ではありませんが、それは手抜きではありません。ブラウザにMP3エンコーダーは入っていないので、MP3をそのまま渡してくれるサイトはその処理をサーバーでやっている——つまりあなたのファイルはそこへアップロードされています。Opusはブラウザが自力で本当にエンコードできるもので、今のプレーヤーはどれも再生でき、しかも何も端末から出ていきません。どうしても古い機器のためにMP3が要るなら、.oggを手元のツールで変換してください。
「実際に何を話したか」が入るのはどれか
スライドは画面に何があったかを伝え、文字起こしはそのとき何を話していたかを伝えます。これは別の情報です。スライドには「制約は3つ」と書いてあり、話し手はそのうちどれが本当に効いてくるかを言っています。
Word、Markdown、そしてPowerPointのノート欄は、文字起こしを各スライドと一緒に運びます。字幕系はそれだけを時刻付きで運びます。字幕タブで一度作れば、これらの書き出しはすべてそれを拾います。
よく聞かれること
- 複数の形式を書き出せますか?
- できますし、追加の負担もありません。デッキはすでにブラウザの中にあるので、2つ目はもうひと押しするだけ。再処理も待ち時間もありません。
- 書き出すと動画はどこかへアップロードされますか?
- されません。動画はブラウザ内で読み、スライドもそこで見つけ、上に挙げたファイルもすべてそこで書き出します。その流れのどこにもサーバーは出てきません。
- GoogleスライドやKeynoteへの書き出しがないのはなぜ?
- どちらも必要としないからです。両方とも.pptxを直接開けます——Googleスライドなら「ファイル → スライドのインポート」、Keynoteはそのまま開くだけ。専用の書き出しは同じデッキを遠回りで作るだけになります。
- 時刻が残るのはどの形式ですか?
- WordとMarkdownは各スライドの上に見出しとして入れます。画像ZIPはファイル名に、1枚画像は各タイルに焼き込みます。PDFも設定を入れれば入ります。
録画は1本、必要なファイルはどれでも
動画を入れて、一度だけ待って、あとはPowerPointもMarkdownも、その週に要るなら音声も持っていってください。全部タブの中で動き、どれもアップロードされません。